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トリックスターが織りなす破壊と創造


ワシはトリックスターに憧れていた

従来の価値観、常識、概念、システム、秩序を破壊し、新しい何かを生み出す存在


単に破壊するだけじゃなく、既存の枠組み内で新しいものを作るでもなく、破壊し、創造する


それは時として痛みや怒り、恥、裏切り、絶望、孤独を伴うが、それをポジティブなエネルギーに変えて乗り越え、新しい何かを創造する


既存の枠組みに従順に従う大多数の人々からの孤立、嘲笑、理解されない憤り、自分が抱いていた信念、生き方、自己概念の崩壊


それらをものともせず、平然と、時に道化のようになってこの世界に新しい風を送り込む


トリックスターは反社会的・悪魔的であると同時に社会的でもある。裏切りと信頼、憎悪と愛の両端を持ちながら両価的に生きている


人は誰もが矛盾し、相反する感情や性質を持っているものだが、その振れ幅が極端で、そこにある種の才能、矛盾する物事や無関係に見える物同士をブレンドして新しいものを生み出すための知性や能力が加わるとトリックスターが出来上がる


強い感受性を持つ人間が幼少時に虐待やネグレクトと愛情を同時に受けたりすると、両極端な価値観や感情を持つトリックスター型の精神原型が形成されることがある


彼らは親や社会に対する反骨精神と、親を喜ばせて愛されたいという欲求を同時に持っている


単に秩序を無視して反社会的に生きるわけでもなく、従順になるわけでもなく、秩序を破壊し、新しいものを創って人から認められたいという欲求に常に駆られていて、それが生きる上での行動原理になっている


トリックスターは親の愛情を確かめたい心理と、親を裏切りたい心理から、挑発的な行動に出ることがある。 普通の子供でもそういう行為は見られるが、トリックスターのそれは大人になっても続く


ワシもそんなトリックスター型の魂を持ちながら生きてきた


同じトリックスターでも、愛情に欠けるサイコパスに近いタイプもいるが、そういうタイプにはあまり共感もせず憧れもしなかった


愛と道徳心の無いサイコパスはトリックスターとはまた別の生き物であるが、一見似たような行動に出ることもある。両者とも反社会的であるが、トリックスターは社会的でもあり、結果的に人々から愛されることもある。


ワシの憧れたトリックスターの一人に、ONE PIECEに登場するDr.ヒルルクがいる。ワシもあんな人物になりたかったのう…


世界を変えた変なおじさん



歴史的な社会変革とかでなくてもトリックスターになることは出来る。


例えば、「自転車は降りて通行して下さい」と書かれた道で、普通の人はルールに従順になるがワシは「人通りが少なければ危険ではない。人とすれ違う時だけ降りればいい」と判断し、既存のルールに反抗して自転車に乗り、頭の固いジジイに怒られる。それでもめげずに自分の意見を押し通し、「じゃああなたは政府が消費税を50%に上げても素直に従うんですか?」と言ってやり込め、「人とすれ違う際には自転車を降りてください」という張り紙に書き換えたことがあった


これも一つの小さなトリックスター業務で、「ワシはたった今、世界を少しだけ変えた」と感極まりながら呟いたものじゃわい


実際には単に自分が楽をしたかっただけであったが、結果オーライなのである。


このように、トリックスター業務には非常に利己的な動機でありながらも結果的に人々の生活を豊かにする、等の特徴が見られる。


赤信号を待つ場面においても上の例と同様のことが言えるがここでは「信号は守りましょう」とだけお伝えすることにしよう。


御意


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